愛

ベスト・フレンズ・ウェディングの愛のレビュー・感想・評価

4.0
アレサフランクリンの"I Say a Little Prayer"の合唱シーンが好きすぎてもう何度観たかわからない。目覚ましのアラーム音にしている程。

生活が一変したり心がぐちゃぐちゃになったりするような、恋愛がもたらす愚かな一面を体験してこそ、卑屈や驕傲が洗い流される清らかで平穏な「好き」の特別さに気づくことができる。そして、鏡に映る自分の表情が優しくなったとき、強くて健やかな「好き」を確信する。
この人は信用できるという曇りのない幸福の兆しや一緒にいて落ち着くという充足感、柔らかに受け入れられていると実感した瞬間の甘美さたるや。

存在のおかげで少し倒れそうになってもちゃんと立っていられる、お守りみたいな人がいるだけで心丈夫で、生々しく正体を明かすことも解像度を上げることも恐れずに生活ができる。

常に変容するものだからこそ惹かれ合う感触や温度を忘れたくないけれど、毎朝思い祈ることしかできないからこそ「今度言おう、いつかやろう」をやめて伝えるべきだ、行動すべきだ。
愛