★1984年に続き2回目の鑑賞★
撮影中に中皮腫を患っていることが判明したマックイーンの、トム・ホーンの厭世的な人生観に共感したのか、製作総指揮まで受け持ってまでの打ち込み方はなんとなくわかるのだが、やはり体の動きにキレがないため、いまいち魅力を感じられない。
演出面でも女教師とのロマンスが妙なところで挿入されたりしてなんだがつながりが悪いし、最後で保安官たちがトムの死刑執行の際に悲しんでいる場面が、それまでにその気持ちになるような描写がほとんどないので腑に落ちない。
38年前の鑑賞時は評価5をつけたのだが、監督は本作以外の作品はないようだし、製作者側の手腕が疑われるほど、映画としての出来ははっきり言ってかなり悪い。
ワイオミングの美しい山並みと、時代に取り残されたガンマンの寂しさと映画界で生き抜きながら最後は癌でなくなったマックイーンの生きざまがシンクロして感じられることで退屈ということはないのだが、昔はいたくマックイーン・ファンだったこともあって高評価だったのだろうと思う。