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ライブ・フレッシュのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

ライブ・フレッシュ(1997年製作の映画)
3.5
銃の暴発事件をきっかけに4人の男女の間で繰り広げられるサスペンスタッチの愛憎劇。
原作はイギリスの女性ミステリー作家ルース・レンデル(バーバラ・ヴァイン)の人気小説「引き攣る肉」。ペドロ・アルモドバル監督が初めて原作を使い、独自に脚色した作品。
原題:Carne trémula, 英題:Live Flesh

1970年1月のマドリード。スペイン全土に戒厳令が敷かれ、非常事態宣言が発令されて人身保護の適用が制限される中、売春婦のイサベル(ペネロペ・クルス、アルモドバル監督作品初登場)は病院へ向かうバスの中で男の子を出産。
20年後、20歳になったビクトル(リベルト・ラバル)は、ディスコで出会ったエレナ(フランチェスカ・ネリ)に恋をし、会う約束をしたと彼女の家に押し入るが、マリフアナ浸けの彼女はそんな約束は覚えておらず、彼に向けた銃が暴発。銃声を聞いて駆けつけて2人の警官サンチョ(ホセ・サンチョ)とダビド(ハビエル・バルデム)が駆けつける。
ビクトルとサンチョと揉み合ううちに、銃弾が発射されダビドは撃たれてしまう。
2年後、下半身不随となったダビドは、エレナと結婚し、パラリンピックで活躍するバスケット選手になっていた。
4年後、出所したビクトルはエレナを諦め切れずに接近する一方、クララ(アンヘラ・モリーナ)という女性と付き合い性愛のテクニックに習熟していくが、彼女はサンチョの愛妻だった……。
その後の展開、1996年で終わる物語の結末は、見てのお楽しみ。

アルモドバル監督の既成のモラルに捕らわれない刺激的な作風は、常に賛否両論を巻き起こすが、この作品も同様。
刑務所に入ったストーカー的偏愛男は結婚して幸せそうな女に、奇想天外な方法(一晩中絶頂させた後捨てること)で復讐しようとする。対する女の行動も分からないが、監督の願望でしょう。
「私を探さないと約束して。二度と会わない、と」
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