しゅう

地の果てを行くのしゅうのレビュー・感想・評価

地の果てを行く(1935年製作の映画)
3.5
外人部隊を描いた作品ではフェデーの「外人部隊」よりコチラの方が好みである。
ジャン・ギャバン演じる主人公が殺人を犯し逃走、バルセロナにて全財産を掏られ追い詰められ外人部隊に入隊という序盤がテンポ良く好調。
やたら気の良いレイモン・エイムスや怪しげなロベール・ル・ヴィガン、現地の踊り子アナベラなど配役も良く、その点でも楽しめるが、クライマックスの激戦の描写ではデュヴィヴィエ監督が話術の上手さを遺憾なく発揮。
ギャバンを追ってきた官憲のル・ヴィガンが最後に和解した直後、ギャバンも敵弾に仆れ友軍の点呼にル・ヴィガンが「戦死!」と答えるシーンは映画史に残る名場面と言える。
それで終われば良いものをギャバンの遺品をアナベラに届けるラストは蛇足気味でかなりのマイナス。

ジャン・ギャバンは持ち味を発揮した好演、アナベラは「巴里祭」の可憐さとはかけ離れた役柄で驚かされる。
ロベール・ル・ヴィガンはジャン・ルノワールの「どん底」などで印象的な役を演じていたが、今作が最高の好演と言ってよい。
しゅう

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