◾︎ガメラシリーズ第6作
【作品情報】
公開日 :1970年3月21日
作品時間 :82分
撮影 :大映スコープ
監督 :湯浅憲昭
製作 :永田秀雅
脚本 :高橋二三
音楽 :菊池俊輔
特撮監督 :湯浅憲明(兼任)
出演 : 高桑勉、ケリー・バリス、炎三四郎、フランツ・グルーベル、夏木章、北城寿太郎、大村崑、ほか
【作品概要】
大阪万博を舞台としたが、万博のパビリオンの映像製作には、円谷英二率いる東宝の円谷組が特撮担当として入っていた。
その他の理由もあり、大映と万博によるタイアップというわけではない。
なお、円谷組が万博対応に取られていたこともあり、69年の『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣総進撃』は、特撮も本田猪四郎監督が手がけた珍しい作品となった。
大映の経営能力が落ち込んでいる中で、特撮予算の増額を果たし、特撮面は前作よりも力が入っている。
ただし、その他の点においては、予算不足が如実に感じられる仕上がりである。
併映は『透明剣士』。
【作品感想】
日本における1970年と言えば……、そう、大阪万博!
ということで、本作は万博会場が舞台に。
しかし、上記事情もあり、別に万博アピールが強い作品ではありません。
過去のガメラ作品にはないオカルト要素が若干入りますが、それも強く主張するでもなし。
ガメラにジャイガーの子どもが寄生した結果、ガメラが貧血になり体色が白化するキモい展開だけは、インパクト抜群です。
しっかし、本作の外国人子役、日本語があまりにも拙い……。
その影響もあってか、子ども同士の会話パートが、これまでより気持ち少ないように感じます。
いっそのこと吹替してくれればいいんですが、予算のせいかなぁ……。
頭でっかちなブサイク怪獣ジャイガーとの戦いに、ミクロの決死圏風アドベンチャーを盛り込み、万博といあ時流に乗ったアピールも虚しく、如何ともし難い仕上がりになってしまったことは、実に残念ではあります。
それでも、限られた予算の中なんとかシリーズ続編を捻り出した湯浅監督達製作陣の熱意と努力は素晴らしい。
悪魔の笛はダーツの如く突き刺さるのだ!