さわだにわか

ガメラ対大魔獣ジャイガーのさわだにわかのレビュー・感想・評価

ガメラ対大魔獣ジャイガー(1970年製作の映画)
4.5
町工場のこども潜水艦でガメラの決死圏に突入する奇想天外とその町工場の親父がやっさん(風)とかいう泥臭さが大阪万博を背景に同居する荒技も今日の目から見るとなんとなく時代のリアリティが感じられて興味深くなってしまうから映画は生きものだなぁと思う。

それが現実的かどうかはひとまず置いておくとしてガメラの科学的なストーリーが好きで、特にこれはジャイガーの生態と弱点を解明する下りに知的スペクタクルがあって良かった。
その一方でキッチュでチープな怪獣プロレス(電柱を耳栓に!)とヘボヘボなガメラマーチ、緊迫感ゼロの破壊風景に町工場のやっさんと子供向けの見世物感が全開だったりもするのでなかなか歪。

万博会場での怪獣バトルを観戦していた女キッズがガメラが会場を壊しやしないかと心配しているとやっさん(風)がガメラは味方だから大丈夫と雑な大人説明。しかし女キッズは食い下がる。「ガメラにそんなもの区別できるかしら?」

ガメラを信じていれば大丈夫や!と強引に押し切るやっさんに笑ってしまうが、子供向けではあっても決して子供の感性や知性を甘く見てはいないことがよく分かる良い会話、良い映画だった。
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