ダンクシー

アルファヴィルのダンクシーのレビュー・感想・評価

アルファヴィル(1965年製作の映画)
3.3
「誰ひとり過去に生きた者はいないし誰ひとり未来に生きる者もいないであろう。現在だけがあらゆる生活の形態である」

ゴダール版ハードボイルドSF。宇宙船や宇宙が描かれてるわけではないのに、なんとなく地球ではない感じがする。まさにディストピア。
銀河系にあるα都市が舞台。そこでは泣いたり笑えば死刑。笑ったら捕まって処刑されるとか、まるでどこぞの北朝鮮ですねぇ。。アルファヴィルの世界の人間たちはまるでサイボーグ。感情のないロボット。そんな1人の女性を人間に戻そうとする探偵。
この世界ではα60というコンピュータが管理・支配しており、そこから出る電波が人間の意識や思考を奪っていく。言葉は意味をすり替えられ、人々は言葉を忘れていく。α60のどこかごもった不快に感じる音声でアルファヴィルについて説明される構造だ。そこに探偵が侵入するという話なのですが、まぁ良かったのは各シーンの画の美しさだけで、正直睡眠導入剤と言っても過言ではなかった笑

「時間は私を運び去る川だが川は私だ。時間は私を引き裂く虎だが虎は私だ」

プールの処刑シーンは本当に凄かったなー。物凄く頭に残っている。ゴダールはこの作品で社会を風刺していた。この世界に逆らったり懐疑的になった者は処刑され、適応できない者は自殺を選び、利用出来そうな者は洗脳する。人間に戻りたければ、目覚めて脱出する他ない。主人公は人間が持つ感情を取り戻そうと人間らしさを守るために戦っているが、そんな彼自身にも、あまり感情があるように見えなかったのが面白い。

んー、ただ、かなり眠かった。集中して観てらんねー!!
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