佐藤克巳

河内ぞろ どけち虫の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

河内ぞろ どけち虫(1964年製作の映画)
4.0
河内と言えば今東光、今と言えば勝新太郎、田宮二郎の大映「悪名」だったが、前年の山内賢「悪太郎」から派生したのか、娯楽映画何でもござれの舛田利雄監督監督が、日活仕込みのドライで弾けまくったフレッシュな河内を現出させたアクション映画の快作。長男宍戸錠、次男川地民夫、三男山内の配役だけで既に成功しているが、宍戸、川地の女房に南田洋子、新人安田道代を配する贅沢さ。更に、飄々とした父伊藤雄之助、息子の理解者母笠置シヅ子の他多士済々の個性が入り乱れた人間ドラマとしても秀逸。特に、宍戸が南田を口説いて放出の八百屋に同居する件、鉄砲光三郎の太鼓のばち捌きと鉄炮節が冴えた夏の祭りの風情の見事さ等、最初から最後まで見所満載。
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