ホロコーストとは、理性と言う人間の動物的な部分を完全に排除した結果として起こりうる到達点に達した一つの例である。
同時に、ソ連でも中国でもカンボジアでも同じく科学を装った狂気が大量に機械的に虐殺された。
ホロコーストが継続されるには、戦争状態という異常な社会が原因にある。逆に言えばホロコーストのような異常な政策が、戦争という異常を継続させる相乗効果があるのである。
人が戦場で意味もなく死ぬと言う深い悲しみを、無意味に大量虐殺をして死が異常なことだという意識を薄くして緩和させる。言うならば毒をさらなる毒で中和させるようなことだ。
そこに似非だろうと、理性によって論理的に正しい科学がその異常を正当化させて納得する。
更にそれについて懐疑的な思考を捨て去り単なる業務レベルで異常を遂行してしまう。命令だとか使命、任務など都合のいい言葉で自分を騙してである。
これも人の為せる技なんだろうか。
