FukiIkeda

灰の記憶のFukiIkedaのレビュー・感想・評価

灰の記憶(2001年製作の映画)
3.7
ナチスドイツによって囚われ、同胞を処刑室まで連れて行き、死体処理をする役目を担う代わりに約4ヶ月の処刑までの猶予を与えられるなどの特別優遇を受ける事ができるユダヤ人の囚人特別部隊「ゾンダーコマンド」をテーマにした映画が「サウルの息子」以前にあったのだね。
これは知らなかった。
映画としてはサウルの方が断然面白い(興味深い)けど、史実やストーリーとして観るにはこれはいいです。
どうせ死ぬのだけれども、少しでも生き延びる事ができるのならと、微かな希望を抱きながら、同胞を裏切る事になる仕事に従事する日々。
どちらが幸せなのかなんてのは愚問でしかないのだろうな…。
正義が何かすらわからない世界で、身体に纏わりつく灰もいつしか拭わなくもなり、何かを自分に言い聞かせながら送る日々…。
救われることも赦されることもなく、ただ死を待つあいだ。
FukiIkeda

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