【想定内の息苦しさ】
(ナチス・ドイツのホロコーストを扱った作品なので点数はつけませんでした。)アウシュビッツを扱った作品としては、『夜と霧』、『ショア』、『サウルの息子』と並んで、必ず観たほうが良い本作品。
『サウルの息子』を観た時に、同じくゾンダーコマンドがテーマになっている作品だと知ったので、後追いで、観ようとTSUTAYAディスカスのリストに入れていたもの。先日、届いたので鑑賞しました。
『サウルの息子』を観ていたので、ゾンダーコマンドとは何か、アウシュビッツで何が行われていたのかは、だいたい知っていたので、まだ少しは耐えられましたが、恐らく、初めて本作品を見る人は、息苦しくて観ていられない事でしょう。
ゾンダーコマンドという言葉さえ知らない人がいたら、それはそれで問題なので、本作品をみて、歴史の一つを直視したほうが良いと思います。
アウシュビッツ収容所の話を観るたびに思いますが、この歴史の一つに、何かを語ろうとすると、全て薄っぺらくなってしまいます。だから、あれこれ、何かを語ろうとも思わないし、何かを語るべきだとも思いません。
ただ、ここで起こった悲劇は、わたしたちと同じ人間が刻んだ歴史であることと、時代を生きる人間の価値観や概念は、その時代を生きる人々が作っていくのだということです。
ということは、今を生きる私達は、今の時代の価値観と概念を作っているという事です。
傲慢に生きることなく、歴史から学び取る努力をしなければなりません。