小さじ

ミザリーの小さじのレビュー・感想・評価

ミザリー(1990年製作の映画)
4.2
終了直前駆け込みGYAO!断片的には観たことあったけど、加入サブスクになかったからとこの機会に鑑賞。
なんで医薬品ストックが家にあるの?とか事故車の検証が保安官だけなの?とかツッコミどころはあったけど、あっという間に時間が過ぎた濃密な作品だった。

少ない登場人物、舞台はほぼアニーの家のみ、主役は基本ベッドの上と限られた要素なのにずっとハラハラして面白い。躁鬱が激しい癇癪持ち、冒頭のスリップ事故も仕組まれたのかなと思えちゃう。

たまたま熱心なファンが躁鬱だっただけなのか、躁鬱気質がのめり込みやすいタイプなのか、卵と鶏どっちが先なのかってちょっと考えさせられた。オタクだから幼児性愛、信者だから異常って一言では表せられないのと絡んでくるというか。

ポールが冷静すぎるというか監禁されているのに、アニーに優しい言葉をかけたりして穏便に済まそうとできているのがすごい。ここから出せ!って激昂する場合が多そうなのに、そうできたからここまで生き延びたんだろうな。薬を溜めて殺そうとした晩餐が賢くて好き、あまりにも不慮の事故すぎるけどもう一回試したらよかったのに。

保安官は初め暇を持て余した腑抜けっぽかったのにだんだん事件に真摯に向き合って、着実に近づいていく成長が目に見えて面白い。仕事がなかったから向き合わざるを得なかっただけかもしれないけど…。一視聴者として成長を見守る中で最期あっけなく殺されてしまうのが切ないし悲しい。戸惑いなくショットガンを至近距離で撃てるアニー、すごい。
小さじ

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