試写会とテレビで観た以来位に、また観る。
12歳のサツキ(日髙のり子)も、4歳のメイ(坂本千夏)も、自分たちを受け入れてくれる父(糸井重里)や、母代わりの隣のおばあさんによって、引越しがあっても安定しているが、二人ともどことなくテンションが高過ぎるのはあれ、と思った。
二人のような小さな子供にとって、母が家に居ないということは、かなりの痛手だからと思う。母がもうすぐ帰ってくると思えることが希望で、病院からの電報は不吉だし、サツキが母がもし死んだら、と考えるのもずっと我慢していたから当然だろうかと思う。
しかし、そういう、寂しさを、“トトロ”という子供にしか見えないファンタジーがいかに支えていくか、また、迷子のメイの所へ実際に連れて行ってしまうということが、ファンタジーの力がいかに大きいかということだろうかと思った。
大トトロは何となく、温かみのあるような雰囲気だし、手触りもそうだし、どことなく母なるものの存在のように思えた。
ネコバスもお化けのような、怖いような、それだけでなく、可愛いような、そのあたりの微妙な感触が、いいのだろう。
このトトロを生み出した宮崎駿監督の想像力が素晴らしかった。子供がトトロやネコバスや、そのぬいぐるみが大好きなのがよくよくわかるような気がした(2021.5.1)。