せり

となりのトトロのせりのネタバレレビュー・内容・結末

となりのトトロ(1988年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

子供の頃によく見ていたけれど、大人になってから観るとこんなに見方が変わるのかと思って驚いた。


引越し→お見舞い→トトロとメイ会う→さつきトトロと会う→どんぐり生えてくる→メイ迷子

この話に登場する大人たちはみんなべらぼうに温かい。メイとさつきの豊かな想像力を誰一人として否定しないし、あたたかい眼差しで見守っている。お父さんはお母さんが入院してしまって急に二人の娘を育てながら大学の仕事をしなければならないという窮地に立たされているはずなのに、つらそうな素振りは一切見せない。そういうところからも人間力の高さが伺える。
今回注目したのは、メイが初めて他人の為に行動するシーンだ。メイは自分の主張ばかり通してさつきや父親の手を焼く困ったちゃんだと思っていた。でも母親が死んでしまうかもという恐怖で泣くさつきを見たときに、確かにメイの気持ちが変わった。表情は口を一文字に結んだままだったけれど、気持ちは大きく変わっているのがわからんが。自分がしっかりしてお母さんにとうもろこしを届けなきゃという、初めての他人のための感情だと思った。今まで気づいていなかったが、監督はこのシーンをかきたかったのではないか。
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