camuson

太陽を盗んだ男のcamusonのレビュー・感想・評価

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
4.8
人間、衣食足りると刺激を求めるのでしょうか。

沢田研二が演じる高校の物理学教師は、
傍目には何の鬱屈も不満もなく、
好き勝手に生きてるいように見えますが・・・
たいした理由もなく、狂気の行動をとるところ、、
作品として行動の理由を説明しようなどとしないところ、
今なお古臭さを感じさせず、色褪せません。
東京の街並みは、70年代臭が強く漂うのですが、
これはこれで、味があります。いい撮り方をしています。

原爆を組み上げるシーンは、なかなかマニアックな力作で、
ワクワクしますね。
作り手は、手を抜いちゃいけないところをよくわかっています。

ただの爆弾ではなく、原子爆弾にした脚本の慧眼。
役者の魅力を最大限引出し、ディテールの描写も疎かにしない。
アクションも迫力があり、最後まで予想の付かない展開。
日本でも、低予算であることに逃げない娯楽作品がつくれるのだなあ。
と感じ入ることができる傑出した作品です。
camuson

camuson