ぼっちザうぉっちゃー

太陽を盗んだ男のぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

半ば狂気じみた面白さが癖になる。

『タクシードライバー』のようなシニカルな熱量を軸に、散文的な思想をまき散らしながら行き先不明の展開が継続していて終始楽しんで観られた。
ただ色気ムンムンラジオパーソナリティとの色情絡みのいざこざや、昭和の男臭さ女臭さがまあ鼻につく。結局冷蔵庫の女扱いなのにも時代を感じたりする

やはりジュリーのいい加減で力みのない存在感が魅力的。それに対する菅原文太の、肝が据わり過ぎでドスの効きすぎな猛犬背広がいい宿敵っぷり。その背景に流れるBGMがどこか懐かしく、某新東京市が朝を迎えそうな気分になった。他にも昭和歌謡からバラード、洋ロックまで色々な音楽が騒がしく流れているのが印象的だった。

そしてとにかく画面からのパッションがすごい。
特撮や舞台演出的な外連味ある表現、侵入シークエンスの火サスみたいなコマ送り、バイパスチェイスからのただ無意味に派手な爆破カーアクション、空撮&ヘリからジャンプ、など「やったるでぇ!」な味濃いルックがすごい楽しい。原爆抱えた妊婦だったり、現代版「ええじゃないか」や喫茶店の一角で行われる爆弾処理、とかもユーモラスでいい。あと危険物や謎の装置作り上げたりする、よく分からん繊細な作業やってるシークエンスなんか好きだな。全然やってること理解できんでも見ちゃう。