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太陽を盗んだ男のsammyのレビュー・感想・評価

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
4.7
最高にアナーキーで日本映画史上に残る傑作。
何か面白い邦画ないか?と聞かれた時には今でも必ず挙げる作品のうちのひとつ。
当時こんな映画があっていいのかとビックリした記憶がある。

今鑑賞すると喫茶店の電話やらデパートの屋上の遊園地など昭和のレトロな風景がとても楽しい。
この作品のリメイクだけはあらゆる意味で絶対不可能だろうな。

プルトニウムを盗んで原子爆弾を作ったもののそれを使ってやりたいことがあるわけでもなくという筋書きが堪らなく鬱屈していて空虚で良い。
当時の若者の エネルギーはあるがそれをどこに向けて良いかわからないという心境を反映してたのでしょうね。
その姿は「タクシードライバー」のトラヴィスの姿と重なる気がします。

文太兄ィは角刈りが眩しい無頼漢。
池上季実子は溌剌としていて最高に美しい。
ラジオのスタッフに風間杜夫。
拳銃を盗まれる警官役に水谷豊。
憎めない借金取りに西田敏行。
そしてなんと言ってもジュリーの中性的な色気!

結構な高さのヘリから菅原文太が落ちてあわやと思いきや次のカットで普通に着地するところで毎回爆笑します。

最初にこの作品を見たのがVHSで尺が入り切らずラストのジュリーが歩いてくるところでテープが巻き戻っちゃって愕然としたのは今では良い思い出です(^^;;
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