燕鷲

太陽を盗んだ男の燕鷲のレビュー・感想・評価

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
4.0
「なんだよ、今週もドラゴンボール休止なのかよ、ふざけんな!」
「どっちの料理ショーは、放送時間を変更してお送りします」
「野球中継が延長したせいであのドラマ録画できなかったじゃない!」

地上波でナイター中継を目にする機会が無くなり、聞かれなくなった言葉の数々。学校や職場で恨み節を囁かれていた頃がある意味で懐かしい。
この映画が製作された昭和54年は、まだプロ野球がテレビのゴールデンタイムに鎮座していた時代。
ゲームセットの瞬間まで視聴できるかどうか(テレビ局が放送を延長するか否か)は、当時の人々にとって切実な問題だったことだろう。

「野球を最後まで放送させろ」

トンチンカンに思える要求だったが、結果的に読売対大洋は完全中継され、世の中の願望は一つ叶えられた。

城戸誠が受け入れられたのは必然だったのかもしれない。

世間というものは、いつだって“何か”を実現してくれる“何者か”の登場を心待ちにしているのだから。
燕鷲

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