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太陽を盗んだ男のTRBのレビュー・感想・評価

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
4.6
とんでもねぇ作品つくったな

原爆に天皇陛下、ずいぶんと斬り込んだ内容で撮影陣の覚悟がうかがえる

中学の理科教師が、東海村の原子力発電所からプルトニウムを盗み、自宅で原爆を作ってしまう

その後、政府を脅迫し始めるが、本人にも被曝の影響が現れ

みたいな内容

改めてスゲーな

大学教授に聞いたけど、理論上、原爆は自作できるらしい

そう考えたらこの作品
怖っ!

ただ、頭のネジが飛んだような内容なのに反して、結構スタイリッシュに描かれている

プルトニウムを盗む際のコマ撮りがミッションインポッシブルみたい

色んな対比
教師としての生活は昼行灯のようなのに、原爆の製造にはとんでもない熱量を示す

かと思えば、政府への脅迫内容に中身はなく、ある種の虚無さえ感じさせる

そんな冷めた犯人と、冒頭でのバスジャック犯との犯行内容の差

いろいろエネルギッシュかつギリギリの内容で面白い

ネコはホントに死んでないよね
どうやって演技させたんやろ

菅原文太さんとジュリーってのがまたイイ

エヴァの音楽ってココからきてたんや
でも流れるたびにエヴァが頭をよぎる

ただ原爆を作って脅迫する加害側としてだけでなく、製造過程の被曝やその後の影響も盛り込んでストーリーを展開する話しの作り込みがスゴイ

ラストはなかなか衝撃

唯一の原爆被害を受けた国がこの作品を手がけるというのに、並々ならぬモノを感じる作品。

間違いなく邦画史に残る問題作

皇居でゲリラ撮影とかようやったな

撮影のアレコレ考えると、ギリアウト
でもこんな作品を手掛ける気概、もう今じゃ出来ない

走ってる電車の前歩くとかね
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