こっふん

メメントのこっふんのネタバレレビュー・内容・結末

メメント(2000年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

2024年 105本目

・何度観ても最高。自分が映画好きになる原点とも言える作品を劇場で観られて感激。いやーたまらない時間だった。
・今までどれだけ観てるか分からないし、内容も大方頭に入っているが、それでも毎回何かしら新しい気づきが生まれる作品。
・頭の悪い自分がギリギリ理解できる難しさ。特殊な時系列で謎が明かされていく構成に、なんとか付いていけるのが気持ちよくて何回も観てしまうのかなと思う。
・やっぱりあの時系列でのとめどない伏線回収がずるい。あー!こういうことやったんか!の連続で何回観てものめり込んでしまう。そして毎回ラストでとんでもなく食らう。めちゃくちゃな気持ちにさせられる。記憶を消して初鑑賞時の衝撃を味わえたらなあ。
・時系列によって、モノクロとカラーを使い分ける手法はオッペンハイマーでも用いられていたな。ポラロイド写真に色がついていくと、映像も白黒からカラーに変化する演出はシビれる。めっちゃ好き。
・自分は、結局レナードってめっちゃ可哀想だなと思う。バート、ナタリー、テディ全員に利用されている。復讐が生き甲斐で、妻のために探偵ごっこを続けることでしか生きていけない。復讐が終わったことを示すタトゥーを胸に刻むことはないだろうな。
・ドッドとの場面、急にマヌケで結構好き。自分が追っているのか、追われているのか分からなくなる、トイレで待ち伏せしていたのにシャワー浴びちゃう、自分でクローゼットに閉じ込めておいて、開けてびっくりする。
・ナタリーの狡猾さがたまらない。レナードと同じく、観ている人も彼女の協力的な姿勢に騙される。家中のペンをバッグに隠した上で、レナードを罵倒。自分を殴らせ、ドッドを始末するよう仕向ける場面、めちゃくちゃ好き。
・テディの写真に書いた「ヤツの嘘を信じるな」のメモ。このメモが全てを決めた。どういうメッセージを残せば、後の自分がテディを殺すよう仕向けるか分かっていてゾッとする。テディに言われ、ナタリーの写真に「彼女を信じるな」と書くが、このメモを見て黒塗りにするシーン、叫びそうになるぐらいもどかしい。
・腕の「電話に出るな」のタトゥーを見て、ずっと誰と電話をしていたのかという謎に気づかされた時の恐怖感めっちゃ好き。
・サミー・ジャンキスの話は、レナードが現実逃避するため話し続けるうちに出来上がっていった。無意識に自分で記憶を改ざんし続けていたということなのだろうか。妻が糖尿病だったのは知っていたはずなのに、事件前の記憶も自ら都合のいいように書き換える。レナードは事件前の記憶には絶対の自信を持っているが、もうなにが正しい記憶か分からない、レナードにとって最も大切な妻の記憶でさえ曖昧、悲しすぎる。
・今後も毎年欠かさず観る。やっぱり素晴らしい作品。
こっふん

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