YutaTakaue

メメントのYutaTakaueのレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
4.4
キネカ大森にてノーラン長編2作目の「メメント」リバイバル上映鑑賞。

「自分の『記憶』ほど都合の良い物は無い」

ノーラン初期作を観たことが無い、にわか映画ファンである私が、フォロウィングからのメメントというノーラン初期長編2作を劇場鑑賞でハシゴするという奇跡の1日。
皆が言うノーラン節とはこのことか!と実感出来る時系列を崩した組合せの手法が今作ではより複雑化されている。
主人公の健忘症を正に観客が『体感』しながらストーリーの行く方を追うことになり、
10分で記憶が無くなる特性を持った主人公と、時系列がこと細かく変化する展開に、困惑する私達の感情が重なって行く事にこの作品の魅力が詰まっている。没入感が半端ではなかった。
また、本作は「主人公の記憶を辿る」というアクションがキーポイントとなっており、紆余曲折ありながら、結局は記憶ほど主観的なモノは無いと実感させられる。
感情のやり場を無くしてしまい、エンドロールで深い余韻が押し寄せてきた。
これ程複雑で、感情の変化が激しい主人公レナードを見事に演じきったガイ・ピアースは本当に拍手もの!
そして、マトリックスのトリニティーを演じた
キャリー=アン・モスが今作でもミステリアスで芯のある強い女性として熱演!

余談ですが、初期2作を観てふと感じた事、
ノーラン監督がもし呪怨のような時系列が入り乱れるホラー映画を撮ったらどんな作品が生まれるんだろうとホラー好きの私の中で妄想が膨らんだ。もしかしたらノーラン監督がホラージャンルに手をつける日が来るのではと密かに期待している。
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