炭酸煎餅

緯度0大作戦の炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

緯度0大作戦(1969年製作の映画)
3.1
1969年公開の特撮映画。
一応ジャンルはSFの内に入ると思うんですが、SFはSFでも公開年よりさらに大昔の「少年向け空想科学冒険小説」といった雰囲気で、遭難した探査船のクルーが謎の超技術潜水艦に救助され、理想郷のような海底都市に案内される、という「海底二万里」を思わせる物語になっています。(実際、直接の原案になっているのは1940年代のアメリカのラジオドラマなんだそうです)

そんな訳で「科学」っぽいのは導入の探査のくだりくらいで後はキャラも世界も荒唐無稽な空想の世界と言っていい感じなんですが、デタラメな設定でも「これがこうだからこう」という理屈をきちんと説明して観客に前提を共有してくれるので素直に作品世界に入り込むことが出来たように思います。ドラえもんの道具の説明みたいな感じと言ったら近いかな?

敵クリーチャーの造形が思いっきり着ぐるみ、というかぬいぐるみ感あってむしろちょっと可愛いぐらいなのはご愛嬌なんですが、メインとなる潜水艦のデザインが味方も敵もカッコよくてバトル演出もなかなか盛り上げてくれるので、「大人が観ても楽しい子供映画」みたいな感じの作品だなと感じました。

「胡蝶の夢」みたいなオチもちょっとひねりが効いてて好き。
炭酸煎餅

炭酸煎餅