rage30

マシンガン・プリーチャーのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

マシンガン・プリーチャー(2011年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

実在の牧師のサム・チルダースを描いた作品。

主人公サム・チルダース、この人の波乱万丈すぎる人生には驚かされましたね。
映画の冒頭、刑務所から出てくると、嫁をストリップで働かせようとするわ、ドラッグをキメるわ、強盗をするわの悪人っぷり。
ところが、殺人事件に関わった事で、改心してキリスト教に入信。
台風被害に便乗して、建設業で一山当てる…と、この時点でもう1本の映画が出来ちゃいますよ。笑

そこからアフリカへ行き、厳しい現実を目にした事で、孤児院を作る事を決意。
何とか孤児院を作り、自身もマシンガンを持って積極的に救助活動をするものの、そこで新たな悲劇を目撃してしまう事に。
そのトラウマor責任感からか、どんどんアフリカに取り憑かれていくサムは、アメリカに残した家族と友人にもつらく当たり、とうとう共に戦う軍人にも愛想を尽かされてしまう…。

贖罪の為にアフリカに行ったはずが、更なる罪を背負ってしまう皮肉。
普通、映画の主人公は良い方向にしろ、悪い方向にしろ、一定の方向に向かって成長(変化)するじゃないですか。
でも、この映画の主人公は良い方向に向かってたのに、途中で悪い方向に転換して、振り出しの時点に戻っちゃうんですよ。
この主人公の心の変遷は、ダイナミックというか、めちゃくちゃというか、とにかく今までにないタイプで面白かったですね。

もうね、にわかには信じがたい話の連続だし、そもそも一般人が銃持って戦ったり、現地の軍人にドン引きされるって「どういう事!?」とツッコミを入れたくなるくらいなんですが、これが“実在の人物”というのだから不思議なものです。
「事実は小説より奇なり」というのは、まさにこの事を言うのでしょう。
rage30

rage30