ふじこ

マシンガン・プリーチャーのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

マシンガン・プリーチャー(2011年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

びっくりするくらい悪辣な主人公が急に神に目覚めてマシンガンを持って暴れながら救済する話。

正直主人公が神に目覚めるまでは退屈だし悪人だし、なんだこれは と思っていた。
服役から戻ってきたら奥さんはストリッパーを辞めており、娘と一緒に日曜礼拝に通う敬虔な教徒になっており、ある日強盗の帰りにたまたま乗せたヒッチハイカーがナイフを出す悪人で、相棒がそいつを滅多刺しにして道路に捨てていった事で主人公サムの中で何かが変わったようで、そこから教会にも通い出す。それまでの自分を洗い流すように洗礼を受け、真面目に建築業で働くサム。
強盗もした事がなければ、誰かを刺した事もないのでここの心境の変化が若干難しいけれども、後から仲間がアイツ死んでなかったってよ、と伝えてきても微妙な顔をしていたので、そういう事ではないんだろうなぁ。神に救われたって事でいいんかな~。

宣教師に会った事で、ボランティアで協力する為にウガンダ/スーダンへ。
そこで目にした現状に涙を流すサム。どのような政治や思想があったとしても、子供達には何の関係もない話のはずで、とにかく無差別に殺しまくる反乱軍的なやつには流石に観てるわたしも腹が立った。
そこからはもう最初の人は誰だったのかとばかりに孤児院を作り、孤児を集め、自国にも教会を建てて寄付を募り、あっちとこっちを行ったり来たりしながら子供達の為に奮闘する。
しかしながら、想いの強さだけでは救えなくて、どれだけ奮闘しても子供達の命は手から溢れていくし、お金も無くなり、どんどん精神が疲弊し荒れていくサムも悲しいし、それを見ている仲間や家族も、争いに利用されてばかりの子供達もみんな悲しい。
荒れに荒れたけれども結局子供達に心奪われ、心を砕き、心が挫け、またそれと同じように子供に救われる。

いやもう頭が下がるってどころじゃない。これだけの事をしている人でも同じように人としての気持ちがあり、同じように感じ、それでも続ける様が結局人としての懐の深さとかを痛感する。
ここんちは奥さんもすごいわ。
ふじこ

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