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マシンガン・プリーチャーの一人旅のレビュー・感想・評価

マシンガン・プリーチャー(2011年製作の映画)
4.0
マーク・フォースター監督作。

アフリカで子供達の保護活動を行っている実在のアメリカ人牧師の半生を描いたドラマ。

紛争下の南部スーダンや北部ウガンダで、親を亡くした子供達の保護活動に人生を捧げている実在の元麻薬密売人:サム・チルダース(1963-)の半生を描いた伝記ドラマの力作で、元麻薬密売人で現在は牧師である主人公をジェラルド・バトラーが力演しています。

逮捕歴もある麻薬密売人の主人公が、教会で洗礼を受けたことで信仰心に目覚め、紛争下にある南部スーダンに渡って親を殺された子供達のために教会と孤児院を建設する―という嘘のような本当の話の映画化で、ウガンダの反政府武装勢力である“神の抵抗軍(LRA)”による妨害や破壊に晒されながらも、揺るぎない覚悟と信念で子供達の保護に尽力していく主人公の奮闘を描いています。

母国アメリカに残してきた妻子との関係性や、子供達が虐殺される光景を目にした主人公の信仰心の揺らぎ、子供達を守るために銃を手にすることへの迷い等、自分の家族を犠牲にして遠い異国の子供達に寄り添う主人公の苦悩と葛藤を丹念に描写していきながら、それでも悲痛な子供達のために生きることを選んだ主人公の決意と再起までの道のりを描き切っています。

何よりこれが実話であることに驚かされますが、エンドロールではサム・チルダースと子供達の実際の映像が使われていて、それらを見ても神への信仰が彼の勇猛な行動の原動力となっていたことが明白に分かります。
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