Melko

キキとララの青い鳥のMelkoのレビュー・感想・評価

キキとララの青い鳥(1989年製作の映画)
3.5
先に見た作品よりも、おとぎ話として大好きな「青い鳥」。キキララもサンリオキャラの中では結構好きで、グッズを集めてた時期もあった。そんなキキとララがわたしの好きなおとぎ話を演じてるから初見だけどワクワクして見たものの……
こちらは画力とテンポ感が劣って見えてしまい、ポイントも伸びず。

「幸せ」の象徴である青い鳥を探し回るチルチルとミチル。
小手先のファンタジーなボカしたメッセージではなく、
「幸せは、自分たちのすぐそばにありました」というわかりやすいメッセージをガツンと伝えてくるなら、この話のエッセンスは全て詰め込んで欲しかった。
「思い出の国」に行き、亡くなった祖父と祖母の幻影を見て「死後」の世界と交流するなら、最後のエッセンスとなる、生まれくる者たちの「未来の国」の描写も欲しかった。個人的にここが一番好きだから…
世に生を受ける前の赤ちゃんたちが、世に旅立つ船を待つ国。(ボスベビーの冒頭シーンのような)赤ちゃんたちは、将来何になるかもう決まっていて、数学者は定規、先生は本など、将来就く職業のアイテムを持っているとゆう場面。
生まれる前から、生まれた後どうなるかが分かっているのも安心で良いのかもしれないけれど、それで良いのか?と、大人になると疑問が湧いてくるようになった。これはぜひ子どもにも聞いてみたいのだけど、この部分がゴッソリ削られ(尺の都合か?)、光に包まれたと思ったら現実の世界に戻され終了、なので、なんとも物足りない。

時間調整で削られたにしては、「これ要るか?」という場面が多かったので余計に気になった。旅をお供するモノたちとの序盤の掛け合いとか、菌との戦いとか、贅沢の国のちょっと過剰なホラー演出とか…。

まあとはいえ、旅のお供のヘンテコたち(犬、猫、黒パン、棒砂糖、ミルク、火、水)がみんなキャラ濃いのはなかなか良かった。
今や大御所声優でもある戸田恵子の溌剌とした少年ボイスも見所。

スルーしてしまいそうになったけど、
「モノにもみんなそれぞれ感情がある」
「正しいモノの見方をすれば、時間だってちゃんと見える」
ってのは、なかなか深い言葉…

最後に「ねぇねぇねぇ、もしかして青い鳥って、ボクのことじゃない?ルンルンランラン、ハッピハッピーパッパー!幸せ、感じるでしょう?」
って言う、タキシードサム。あんたしか勝たん。大好き〜!
Melko

Melko