LEO

ICHIのLEOのレビュー・感想・評価

ICHI(2008年製作の映画)
1.9
人探しのために旅をしている盲目の女芸人「市」が、旅の途中で剣を抜くことが出来ない侍「十馬」と出会い、白河組が仕切る宿場町にたどり着く。
そこに市の探し人の敵である万鬼党が攻め入り、一度は敗れるものの十馬の助けもあって首領の万鬼を倒すという話。


言うまでもなく『座頭市』の主人公を女性に置き換えたリメイク作品なんだが……何でこの作品を撮ろうと思ったのか分からない。
というか、この作品で何をやりたかったのかが全く分からない。

ストーリーには別に特筆するようなエピソードはない。
衣装とかもボロボロにしているけど生地自体が使い古して擦り切れた感じが全くしないし、人の顔とかも汚しているものの肌があまりにもツヤツヤ。
着物や袴での動き方もなってないし、綾瀬はるかが歌うシーンも和楽の歌い方じゃない。
セリフまわしもまるで現代劇だし。
時代考証とかまでは言わないが時代劇なら所作ってもんがあるし、そういうの教える人がいなかったのかね?

特にひどかったのが窪塚洋介。
『沈黙 -サイレンス-』の時は感じなかったが、今回はガックリくるくらいだった。
もっと時代劇演技の勉強をするんでなければ、もう時代劇に出るべきじゃないな。

その点中村獅童はさすが。
やはり伝統芸能で鍛え上げられている人は違うわ。
身体の芯が全くぶれないもの。

綾瀬はるかはずいぶん頑張ってたけど…どうなんだろ?
彼女はアクションが出来ると評価されているけど、自分はそう感じたことがない。
もちろん今回の殺陣も「そこそこできる」位にしか感じなかった。
ユニクロか何かのCMでサッカーの真似事やってるのを見ても、彼女はもともと運動が得意な方ではないんじゃないかな?
まぁ勝新さんやたけしさんと比べるのはヤボだが、だからこそ何故彼女を主演にして何をやりたくてこの映画を撮ったのか疑問。

『ピンポン』の監督だから窪塚も使ったんだろうけど、時代劇と現代劇の区別もつかないのか?
それとも新しい時代劇を目指したのか?
全然新しくないけど。

観たところでどうせこんなところだろうと思ってずっと避けて来たんだけど、必要があって観てみたらやっぱり想像通りこんなところだった。
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