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やさしくキスをしてのleylaのレビュー・感想・評価

やさしくキスをして(2004年製作の映画)
3.8
バレンタインだし、素敵なジャケとタイトルのラブロマンスを。と思ったけど、そこはやっぱりケン・ローチなんで一筋縄ではいかなかった。

好きになった人が異教徒だった…というお話。日本人には理解できない宗教と人種の壁の厚さを思い知った。

スコットランドのグラスゴーが舞台。イスラム教徒のパキスタン移民カシムとカトリックのスコットランド人・ロシーンが恋に落ちる。

イスラム教のカシム一家は、異教徒との結婚は許さない。イスラムの古い慣習に縛られる両親、根底にはイスラム×ヒンズーとの争いもあり、受けてきた差別もある。誰も悪くないってところが根深い問題。

カトリック側も酷くて、教師であるロシーンが異教徒とつきあっているため証明書がもらえず、学校を移動させられる。信仰心を示す証明書が必要なんて驚きです。

2人が一緒になるには問題が多すぎて、私なら別れると思う。

カシムの姉がロシーンに「弟にいつ飽きるの?」と聞く。ちょっとした恋愛ぐらいで自分たちの家族を犠牲にするなという酷い質問。お互い理解しようともしないんだから、うまくいくわけがない。

ハッピーエンドとは言いがたいけど、2人の愛が強いことには救われる。でも愛から結婚というただの生活に変わった時、2人がどうなるかの方が心配。

フレディ・マーキュリーもパキスタンからの移民で「パキ!」と呼ばれ差別されてたことを思い出した。
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