ケン・ローチ監督って、地獄に突き落とさないパターンもあるんだな…笑
本当に紛れもないアクション映画を撮るのがうまい。派手な喧嘩もピストルもカーチェイスも爆薬もない、ただただ一般的なアクション。だからこそ、イギリス社会のことをそこまで深く知らない人が見ても自分のことのように引き込まれる。私たち日本人は日々直面せずとも、どこかでいつか直面すると勘づいているからなのかもしれない。
閉めたドアを丁寧に捉えたシーンが3回ある。それぞれの意味合いを考えると、すごいドラマチックだし、ロマンチック。彼らを取り巻く状況が状況なだけに煙に巻かれているようだけど。
このころから徐々にアイデンティティ・ポリティクスは姿を見せつつあったんだろうなって、節々に感じ、それが顕在化した今を生きる私からすると、やはりこの映画も家族を想うときやダニエルブレイク同様きついものを残してくれます。