フィルモワ

180°SOUTH/ワンエイティ・サウスのフィルモワのレビュー・感想・評価

4.0
1968年、ある二人のアメリカ人青年がパタゴニアへ冒険の旅をして、その後それぞれアウトドアブランドを創業する。それがpatagoniaとTHE NORTH FACE。その軌跡をたどる物語。

映像の美しさとともに、M.Wardなどの音楽がずっと心地よくて。サーフボード一枚で川を進んだり、拾った貝をその場で焼いてナイフで口に運んだり、自分の奥底で野生が沸き立つ感じ。

自分は勇敢なタイプではないので、どうして人が山に登るのか、大波に挑むのか、全然わからなかったけど。巨きなものに対峙するのがすごく求道的、かつ麻薬的でもあるのかな。条件が合わずに登頂目前で引き返すときの無念さとか、あぁ、まさに彼らが欲しいのは絶頂感なのだなと。都市の日常にはそのパースペクティブがない。

映画はもちろん、彼らの個人的な楽しみを描くにとどまらず、その環境を守る義務について、考えさせる内容となっております。