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マッチスティック・メンのCANACOのレビュー・感想・評価

マッチスティック・メン(2003年製作の映画)
4.0
『エイリアン』『ハンニバル』『グラディエーター』『ハウス・オブ・グッチ』のリドリー・スコット監督作品。2003年公開。
アメリカ人作家・エリック・ガルシアによる同名小説が原作。製作総指揮を『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズや『フォレスト・ガンプ/一期一会』などで知られるロバート・ゼメキスが務めている。

「マッチスティック・メン」は詐欺師のスラングで、「頭がなければ役立たず」なのを、マッチ棒と掛けているらしい。

頭の切れる凄腕詐欺師でありながら、強迫性障害を抱え、気弱でお人好しな一面も覗かせるロイ・ウォラー(ニコラス・ケイジ)。そのロイが娘・アンジェラ(アリソン・ローマン)と過ごすうちに父性、つまり愛に目覚め、その愛が自身の精神的バランスを整えていく。その過程が謎なほどうまく描かれている良作。

どんでん返し物好きなら読める展開で、「ですよねー」とは思うが、それを差し引いても面白く、ストレスなしで最後まで観られた。
主役の詐欺師・ロイ・ウォラーと、彼の前に現れる14歳の娘・アンジェラとのやり取りが、詐欺ものとは思えないほど笑えて、ハートフルなところもポイント高い。

個人的には、これまでに観たニコラス・ケイジ出演作品のなかで一番好きで、かつ当たり役。めちゃ有能なのになんかヘンテコで、“根は悪人じゃない”感丸出しのロイを、ニコラス・ケイジはばっちり演じている。
終盤、めっちゃくちゃ急いでるのにタクシーの運転手にお金を払うため戻り、ドアまで閉めていくところとか。

フランクを演じたサム・ロックウェルは、名作『ジョジョ・ラビット』の“鬼カッコいい”クレンツェンドルフ大尉も演じた人。
アリソン・ローマンの可愛さと憎めなさも秀逸だ。彼女は、同じく名作『ビッグ・フィッシュ』の若い頃のサンドラを演じている。
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