あんがすざろっく

マッチスティック・メンのあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

マッチスティック・メン(2003年製作の映画)
3.2
リドリー・スコット作品をレビューしようシリーズ。
えっ、これもリドリー・スコットなの⁉️的な作品。
リドリー御大がコンゲーム、ドンデン返しで物語を展開させるのが意外。
原作も存在しています。

一体御大がどこに惹かれて映像化したのかと、とても不思議になる程、リドリー・スコットらしさが見られません。
なんなら彼が監督でなくても良かったのでは?

とは言え、主人公ロイの病的なまでの潔癖症は、御大自身の几帳面な性格も反映したとのこと。
しかし、それを撮りたかったのか?
疑問は残ります…。




詐欺師のロイは相棒のフランクと共に巧妙な手口で詐欺を繰り返していた。
強迫性障害を患っているロイは、ある日医者から処方された薬を全て排水溝に流してしまい、それが元で症状が悪化。
彼の身を心配したフランクからカウンセラーを紹介され、ロイはその診療先で自らの過去を語る。
別れた妻との間に娘がいることを知るロイ。
その娘、アンジェラがロイに会いたいとコンタクトを取ってくる…。

主人公のロイに、ニコラス・ケイジ。
極度の潔癖症で、次第にチックの症状を発症しますが、それが見事。
突然現れた娘に戸惑いながら、自らの子供に振り回される喜びを表現します。


相棒のフランクに、サム・ロックウェル。
軽薄でちゃらんぽらんなように見えて、ロイの身を案じます。


ロイの娘、アンジェラに、アリソン・ローマン。
本作がデビューになります。
無邪気なようで、ロイの血を引いているような大胆さも持ち合わせています。

改めて見返すと、レオンを彷彿とさせる描写も。



さて、ここからネタバレ。

















本作は序盤から数分後には、既に大がかりで壮大な騙しが始まっていました。

こんな大仕掛けを仕組めるんだから、やっぱり詐欺師に向いていたんですね。
相手の痛いところや弱みにつけこむあたり、プロに徹することができる非情な人間なんでしょう。
逆にロイは向いていなかったのだと言えます。

そしてラストに訪れる、穏やかな時間。
詐欺師の話ではありながら、「騙し、騙され」だけでは終わらない作品でした。

アリソン・ローマンはオーディションの時、実際には21歳だったんだそうです。
スタッフは本気で彼女を14歳だと思っていたんだとか。
そこから既に騙されていた訳ですね😳


作品としては充分面白かったと思いますが、考えれば考える程、なぜ御大が…と思えてしまう作品でもあります。

リドリー・スコット映画の中では、あまり魅力を感じなかったかな😓



2003年10月 有楽町丸の内ピカデリーにて
あんがすざろっく

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