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EUREKA ユリイカのhoshのレビュー・感想・評価

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)
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早稲田松竹にて35mmフィルム上映。
コンディションが悪かったのか、はたまたこの映画の作り出す空気が心地よすぎたのかかなり寝てしまったので点は保留。それでも圧巻だった。

ここまでショットがすごい映画ないと思う。冒頭の揺れるバス→倒れた足で示すバスジャック、西部劇チックな警官の集合、窓際の波のオブジェクト越しの景色、川上から流れる靴、植物の白い乳液、自転車と線路の向こう、連なる遠景とバス。カメラが主役といっていい。邦画離れした衝撃の画面の数々に映画を観る喜びが爆発している。

新海誠の映画を観てビルが綺麗に見えるように、北野映画を観て青が脳裏に残るように、今後はセピアを観ると死後のような懐かしさと怖さを湛えたこの作品の色調を思い出すだろう。先述した状態でもラストは尋常じゃない感動。苦しい3時間を観客と共有したからこその「声」の驚き。必要な長さと言える。最後のジム・オルークよ………
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