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EUREKA ユリイカのsingthingのレビュー・感想・評価

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)
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上映時間の長さによって、映画と生きる時間を過ごすことになるタイプのやつ。

全編セピアの色で通すのかと思っていたから、最後びっくりしたし夢からさめたような寂しさがあった。カラーに切り替わるラストが、救いや開かれを表現しているのかもしれないけれど、私にとっては言葉を失くしているようなセピアの世界の方に救われていた気がする。

(振り返ってみれば、事件があったから何かを失っているのではなく、そもそも最初からセピアだった。)

手近な壁を、顔も見えないままノックして返ってくる音を聴く。なんていうシーンなんだろう、と思った。このシーンを見たいがために再鑑賞しそう。

役所広司はどの映画を観ても本当にすごい。どのシーンもすごかったが、自転車とバスを手に入れた時の子供みたいな顔が印象的だった。
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