このレビューはネタバレを含みます
偶然にも昨晩『エデンの東』を観たせいか、自分が“銃”(=悪)であることを思い出し葛藤するアイアン・ジャイアントの姿と、ジェームズ・ディーン演じるキャルの姿が重なって見えた。
本来の超兵器たる姿になったアイアン・ジャイアントが、ホーガースの言葉を受け、自らの意志で「自分のなりたい自分」(=“銃”ではない自分)を選択するシーンも、『エデンの東』のキャルが病床の父に語りかけるラストシーンを彷彿とさせる。
「僕は生まれつき悪い子だと考えてました。でも本当は違うんです。人間は動物と違って、自分の道を選べるんですね。道を選ぶことが人間の資格なんですね。」
『エデンの東』の道しるべがあってか、ようやく兵器と人間の中間であり、兵器の擬人化ともとれる“ロボット”という存在を通して、これまで先人たちが何を描こうとしてきたのかが分かったような気がした。
最後に、原子爆弾を持ってしても完全に破壊できなかったアイアン・ジャイアントが、我々人類の前に再び現れることができる日を、ホーガース同様待っている。