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影武者のkazu1961のレビュー・感想・評価

影武者(1980年製作の映画)
3.8
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2021-697 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋後期の黒澤明監督作品の代表的な作品で、カンヌ国際映画祭パルムドールにも選ばれた作品、決して面白くないわけがありません。。。世界に評価されたその独特な幽玄美とクライマックスの合戦の壮麗さはほんと素晴らしい、ですがその一方で本作の5年後の『乱』ほどの天上から見て人間の愚かさや人生の無情を描いたような境地にまだ踏み込める前で、黒澤明後期の作品の幕開けのような感じがします。いわゆる前期のヒューマニズムや後期の無常感のように振り切れる間の作品のように感じます。

🖋しかしながら合戦時の夕暮れや業火の赤や紫の幽玄な色彩とその美しさ、そして
クライマックスの死屍累々となった「長篠の戦い」が壮観、人生の終盤を描いたような気もします。この辺りが海外で評価が高くなった所以でしょうか。外国版プロデューサーとしてフランシス・F・コッポラとジョージ・ルーカスが参加しハリウッドの大手スタジオから世界配給された最初の日本映画となったのですから。

🖋その他、ロケは北海道から姫路城、熊本城と日本を縦断し、富士山麓には壮大な武田屋形のオープンセットも建てられりして製作費の高騰したため計画が頓挫しかかったり、当初主役だった勝新太郎が監督との意見の相違から途中降板するなどとにかく公開当時話題が尽きない作品でもありました。これもあって興行成績は良かったんですね。
 
😀Story:(参考:yahoo movies )
戦国時代。家康の野田城攻めの折り、鉄砲で撃たれこの世を去った武田信玄。弟信廉は信玄死すの報を打ち消すため信玄の影武者を立てる。男は盗みの罪から処刑されるところを信玄と瓜二つだったことから助けられたのだった。だが男にとって戦国の雄・信玄として生きることはあまりにも過酷だった……。

🔸Database🔸
・邦題 :『影武者』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 1980
・日本公開 : 1980/04/26
・上映時間 : 179分
・受賞 : 第33回カンヌ国際映画祭
パルムドール
・監督 : 黒澤 明
・脚本 : 黒澤明、井手雅人
・原作 : ※※※
・撮影 : 斎藤孝雄、上田正治
・音楽 : 池辺 晋一郎
・出演 : 仲代達矢、山﨑努、萩原健一、根津甚八、油井昌由樹、隆大介、大滝秀治、桃井かおり、倍賞美津子

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
黒澤明監督が「デルス・ウザーラ」以来5年ぶり(日本映画としては「どですかでん」以来10年ぶり)に製作した、戦国スペクタクル巨編。製作総指揮としてフランシス・F・コッポラとジョージ・ルーカスが参加、アメリカでも公開され独創的な様式美と壮麗な合戦絵巻が評判を呼んだ。時は戦国時代、あやうく処刑をまぬがれた盗人が武田信玄の影武者となり、信玄の幻に威圧されながらも敵をあざむいていく。だが男にとって戦国の雄・信玄として生きることはあまりにも過酷だった……。カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。
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