ヴレア

影武者のヴレアのネタバレレビュー・内容・結末

影武者(1980年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

黒澤の時代劇はやっぱり娯楽性の高い白黒時代のものが好きだ。本作は初めて観たが、娯楽性などもはや皆無だし、笑えるシーンとかも無いし、ひたすら堅苦しい時代劇だなぁという感じだった。まあこういうのが好きな人からすれば分かってないと言われるのかもしれないでしょうが…。
終盤、影武者が討ち死にする描写を一切見せないクセに、哀愁たっぷりな音楽が鳴り響く中、死んでいく者たち、死んでいく馬たちをじっくりと見せることに間を取ったりだとか、よく分からないこだわりを感じた。ひたすらカメラは戦いの凄惨さや悲哀を映し出す事に一所懸命なようだ。
徹底したリアリズム溢れる映像が醍醐味ではあるが、極彩色の夢のシーンや、夕焼けの中落城するシーンだとかセンチメンタリズムも感じられる。
影武者など登場人物の思惑が伝わって来ないのもあって、やがてもはや何が起こっているのかすら分からなくなり物語に没入すら出来ない、一歩引いた目線でただただ展開される映像を傍観するしかなくなる。
とにかく高尚過ぎるし長いのでかなり疲れました。
ヴレア

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