ぼっち侍

影武者のぼっち侍のレビュー・感想・評価

影武者(1980年製作の映画)
4.5
黒澤明作品ということで鑑賞。おもしろい、まったく退屈しないストーリーではあるが序盤、中盤あたりは正直そんなに度肝を抜かれるって程ではなかった。しかしいよいよ織田・徳川との合戦シーンになって、やっと黒澤映画を見てるという実感。登場する馬の数にしてもそうだが、ずーーっと一斉射撃と鉄砲の音ばかりで武田の兵や馬が被弾してる様をまったく映さず、ある程度の時間がたっておもむろにどちらが勝ったか・・・という結果だけを見せるという撮り方とか。ほおーーって感心させて、さらにギョッとしたのは仲代達矢の顔wだんだん本物の信玄みたいに見えてくる。
 
 史実的には、武田家はこの長篠合戦で終わったわけじゃなく、そのあともう少し粘るんですよね。だけど映画では、あア・・・これで滅ぶのだなって言うか一つの家の滅亡する様って言うのかな。そういうことの実感をこっちに持たせるようなエンディングでした。