男はくらいよ監督さそり

影武者の男はくらいよ監督さそりのレビュー・感想・評価

影武者(1980年製作の映画)
5.0
公開直後は不評の嵐だったがカンヌパルムドール受賞したらコロッと変わって絶賛された。
全てアナログの騎馬や兵士による合戦シーンは美術映画として世界遺産レベル。仲代達矢だと能の世界。
降板した勝新なら豪快な歴史絵巻になっただろう。だが観客は仲代が勝新の影武者に見えるという体験をする図式!
合戦シーンは類を見ない美しさでクライマックスの省略は大金かけたブレッソンだ!こんな事出来るの黒澤だけ!隆大介、大滝秀治、山崎努が素晴らしい!
仲代達也は武田信玄には見えないけど、この映画は影武者が主人公だから、それで良かった訳。作品全体が影。まがい物の悲しさがテーマ。国の代表者が実は偽物・影なのではないか?という深すぎるテーマ。今の日本って正に影の国家なんじゃないか?