ベビーパウダー山崎

ギャングのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

ギャング(1966年製作の映画)
4.0
それにしてもリノ・ヴァンチュラはなにがしたかったんだろう。すでに終われている身で強盗が成功してまんまと逃げきれるとは端から思ってなさそうだし、そうなるとやはり死に場所を探しているようにしか見えなくて、老害扱いされている失われた己の名声をもう一度とり戻すため計画は成功させるが、かつての仲間以外は皆殺しにして派手に死んでいく。俺はまだヤれる、舐めた輩はぶっ殺す、自分が何者であるかを証明し、歴史に名を刻み死んでいく。メルヴィルのとことん冷めた、感情を削ぎ落とした暴力は最高。死ぬ兆しが見えた瞬間に撃たれている。決して古びない、容赦ない突然の死。明らかにまともじゃないのに愛と仁義は守る。 メルヴィルの魂はタケちゃんの暴力映画にしっかり引き継がれている。