スギノイチ

渇いた太陽のスギノイチのレビュー・感想・評価

渇いた太陽(1962年製作の映画)
3.8
帰省するなり虚しいマウント合戦に勤しむ俳優崩れ青年(ポール・ニューマン)が哀れ。
いつも飄々と不敵なポール・ニューマンなのに、こんな情けない姿は見たことがない。
まるで『ヤング≒アダルト』だ。

「演技よりセックスの才能があった」と自嘲するポール・ニューマンは殆ど男娼と化していて、ハリウッドから逃げた落ちぶれ女優(ジェラルディン・ペイジ)とは共依存の関係。
それでいて、お互いに芽が出そうになると見苦しく足を引っ張り合うのだから見ていられない。

リチャード・ブルックスの映画って、敗北感を抱えて血反吐吐きながら生きていく人間ばかりで好きだ。
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