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リトル・マーメイドのrensaurusのレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(1989年製作の映画)
4.6
今見ても、脚本の完成度の高さと、アニメーションの質の高さ、そして楽曲の素晴らしさに驚かされる不朽の名作。

アリエルの海中での髪の動きや、地上での豊かな表情はリアリティやエネルギーに溢れていて魅力的だし、アリエルを取り巻くセバスチャン、フランダー、スカットルにもそれぞれ個性がある描き分けがされており、ディズニーが誇る動物に命を吹き込む技術が堪能できる。

海上での嵐や水しぶきに見られる水の表現にも、途方もない努力が感じられてとても良い。

前半では『パート・オブ・ユア・ワールド』でアリエルの夢が語られることでグッと感情移入させられ、『アンダー・ザ・シー』で海底ならではの鮮やかなアニメーションとキャッチーな音楽を浴びせられるので、特有のファンシーな世界観にすんなりと浸ることができる。その後もアースラという障壁や、エリックとのロマンス、トリトンとの親子関係など、飽きることのない展開が用意され、濃密な84分になっている。

実写と比べるとやはりこちらは視覚的に楽しいアニメーションが見られることが大きい。アンダーザシーも魚たちが演奏することで海洋生物による海中讃歌としての印象がより強いように思う。
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