Leo

リトル・マーメイドのLeoのレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(1989年製作の映画)
4.5
80年代らしいストップモーションで締めくくられるこの作品から、ディズニーの90年代が幕開けました。

ー (美女と野獣)、アラジン、ライオン・キング、ポカホンタス、(ノートルダムの鐘)、(ヘラクレス)、ムーラン、ターザン、リロ&スティッチ ー
ディズニー・ルネサンスのラインアップには、新大陸やオリエントを取り上げた作品が目立ちます。90年代のディズニーは、白雪姫以来西洋のお伽話が中心のラインアップから一歩踏み出しました。
ポスト冷戦時代の多元主義とも相まって、作品群を貫くテーマは、他者の受容、外の世界への憧憬です。
外の世界に憧れ、"I wish I could be part of that world"と呟くアリエルには、ディズニー・ルネサンスと90年代のエッセンスが詰まっているのです。
ゆとり世代の皆さんは、昨今の時勢を踏まえると目頭が熱くなる事でしょう。

しかし思い返せば、冷戦の終結、’95年までの間、アメリカ国内で子供向けコンテンツ市場の拡大を通じてディズニー作品を後押ししたベビーブーム、そしてリトル・マーメイドは全て80年代の産物でした。
80年代のラブロマンスよろしく、エンディング・クレジットの背景に投影されるストップモーションのキスシーン...本作は、ディズニー・ルネサンスが80年代という文脈の中で生まれた事を雄弁に物語っています。

"get cold fin(feet)"
"the sea wead(grass) is always greener in somebody else's lake"
海の底ならではの言葉遊びで、大人も楽しめます。

"She has the most beautiful voice!"
Leo

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