むるむる

リトル・マーメイドのむるむるのレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(1989年製作の映画)
3.2
子どもの頃好きで観ていたのを大人になって再視聴。アリエルに対しての見方が結構変わった。

子どもの頃はただただ愛らしくて優しい女の子、理想的なヒロインと思っていたが、今見ると年相応にわがままで短絡的で一目惚れの恋に夢中な女の子…という印象。父親たちがヒヤヒヤするのも、アースラが目をつけるのもわかる。
対面して会話したこともない男性に対してハンサムだわ…!であそこまで夢中になれてしまうのは人間種族への憧れも加算されているような…とかモヤモヤ考えるのは野暮だと思いつつ、考えてしまう年齢や立場になったのだなと自覚しました…

しかしアリエルの魅力の高さは異常だなと思った。声を発せなくなるという設定もあり、表情や仕草だけで惹きつけるアニメーションに特化していて感心した。
まったく会話できないのに王子様が惹きつけられる説得力みたいなものを伴うアニメーションだと思った(一応命を救われた時の記憶がうっすらあり、その時に一目惚れ的に惹かれている、命の恩人と思っているという理由が付随してはいるけれども)

普通に面白くアニメーションだけで見応えがあるし、子どもの頃の自分含めファンが多いのも納得…とは思いつつ、ちょっとルッキズムな印象を受け取ってしまって私の中の外見コンプレックスが刺激されてしまった。
元が童話だし尺や設定的にある程度ビジュアルでゴリ押すしかないとも思うんだが、だからこそ原作の対話なしでは結ばれない悲恋の方が私には合っているなあと思ってしまいました。not for me…