けーはち

リトル・マーメイドのけーはちのレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(1989年製作の映画)
3.3
一番の魅力である美声を奪われ想いが通じずに独り死んで海の泡に変わる、という簡潔で美しい儚さが印象的な人魚姫を元にしたディズニーの定番アニメーション。原作の悲壮感を軽減してハッピーな話に仕上げるためカニのサブキャラを出してシェフ相手にドタバタやら魔女と複雑な契約をさせるやら、今にして思えば何やらこねくり回して無理を通している。最後に自ら巨大化して襲ってくる魔女なんて、王子の操る船の舳先にドンと衝突されただけで死ぬが、それまで影を潜めて慎重に王座を奪う陰謀を巡らせていた魔女にしては、突然、不用意にリスクを取りすぎな行動である。まあ、子供番組の悪役なんて、慢心して足下を掬われて惨敗する末路がお似合いか?

音楽はクラシックやジャズにラテンを取り入れており、特にスティールパンが印象的なカリプソの「アンダー・ザ・シー」が有名で、その出自を考えるとアニメでは褐色肌、実写版では黒人のアリエルに対しても違和感はないかしらん。