ベビーパウダー山崎

愛情物語のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

愛情物語(1984年製作の映画)
2.5
奇形じみた酷さだが、原田知世と渡瀬恒彦のドラマは安易に寄らず、役者を信じてどっしり撮っていて、素人監督の角川春樹はキャメラの仙元に身も心もお任せだったのではないかと邪推する。原田知世と渡瀬恒彦の関係は、父親探しというより80年代日本映画特有の「おじさんと小娘のロマンス」に近いものがある。ようやく辿り着いた豪邸のくだりは強烈に赤川次郎臭がする。
原田知世の向こう見ずに突っ走る、土から引っこ抜いた大根に生でかぶりつくような感じは凄いと思う(全然好きじゃないけど)。雇われたなら攻めでも受けでも、とにかくなんでもやる渡瀬恒彦Respect。渡瀬恒彦と室田日出男に挟まれての原田知世という変な図式、裏に「映画」(芸能)の世界を熟知している悪い大人がいるはず。倍賞美津子を見るたびに、あのがらがら声ふくめて俺の母親を思い出すから勘弁してほしい。
それにしても、当時は本作と『メイン・テーマ』との同時上映だったらしく、ダサさが致死量を超えている。映画館で死者が出てもおかしくない危険な二本立て。