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愛情物語の708のネタバレレビュー・内容・結末

愛情物語(1984年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

「時をかける少女」の次の映画。当時劇場で観ました。同時上映は薬師丸ひろ子主演の「メイン・テーマ」でした。久しぶりに配信で鑑賞。

デビューからまだ数年の初々しい原田知世の初々しさを、当時大ヒットした「フラッシュダンス」をモチーフにして記録してパッケージングしたような作品。それ以上でもそれ以下でもありません。知世ちゃんの成長日記の1ページなんです。だから、演技の上手い下手もどうでもいいんです。それも、角川春樹自らがメガフォンを取るという力の入れよう。クライマックスのシーンは、知世ちゃんの出身地の長崎で撮影されています。「時をかける少女」の大林宣彦監督いわく、角川春樹から大林監督で2、3本続けて撮って欲しいと言われていたものの、「時をかける少女」で大林監督にすべてを委ねる知世ちゃんに角川春樹が嫉妬して、自ら撮って知世ちゃんを本物の女優に育てたいと思ったのだとか。

赤川次郎原作。大好きなミュージカルのキャストのオーディションに向けて頑張りながら、毎年誕生日に花を送ってくれる "足長おじさん" を探すというストーリー。とにかくダンスシーンが多いです。いきなり妄想のようなダンスパートが差し込まれたり、列車の連結部分で踊り出したりもするし。中でも、採石場で渡瀬恒彦が石を叩き割る横で無表情で無心に踊るシーン、超シュールで大好きです。かなり懸命に踊ってます。上手い下手はどうでもいいんです。

倍賞美津子、渡瀬恒彦、加賀まりこ、室田日出男といった演技派の俳優でしっかり脇を固めて、知世ちゃんの拙い演技をしっかりカヴァー。気が触れた加賀まりこが登場して、いきなりホラーっぽい雰囲気になるパートもいいアクセントです。
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