ヨミ

マトリックス レボリューションズのヨミのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

色んな意味で「キリスト」の話だったのだなとわかった。

スミスに取り込まれたと思った瞬間、マトリックスのとこでネオの胸に十字の光が現れてスミスもろとも内側から光で満たして破壊、みたいなのってマジの聖書モチーフだなあ。
と、同時に最後にマトリックスの複眼のやつに引っ張られるネオは『ナウシカ』に重ねられる。あれもまた救世主(キリスト)の物語なので……。預言者がラストで「信じていた」と言うところも、「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし……」つってたお婆さんと一緒でしょ。

あとセンティネルが束になって向かって来るシーン、EVA Mark.06から出てくる第12使徒っぽい。庵野が参考にしたのかもね。ネオがマシーンの国で手をかざして一斉破壊するときの爆破エフェクトも庵野っぽさあったし、影響があるとしたら相互にだろう。

なんだかんだでスミスが1番コンピューター的だった気がする。マトリックスの方はもはや昆虫っぽい機械を発生させる無人帝国みたいなところあるが、変異プログラムであるところのスミスは愚直に複製を行い続ける。やはり複製技術と計算可能世界というのがコンピューターの肝だと思うので。

1作目の持つ特有の衝撃というのは薄れているのだが、しかしシリーズものとしてちゃんと面白い。『ターミネーター』の変奏な感じもあるが、しかしガワはそうでも現実と虚構の混淆/対立という最初のアイデアとアクションが良かったのだろう。
2作以降から単にSFアクションおよび戦争という側面が強くなるが、まあそれはそれで仕方ないのではないか。1作目で終わらせても良かったとは思うが、3作やって終着はちゃんとしたので。

さて、『レザレクションズ』はどうなのだろう。絶賛の一方(高橋ヨシキとか)で否定的な意見(山形浩生とか)も聞かれているが。楽しみである。
ヨミ

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