平田一

マトリックス レボリューションズの平田一のレビュー・感想・評価

3.9
“――その日、世界は同時に[答え]を知る”

1999年にウォシャウスキー兄弟(現在は姉妹)が生んだ世界的大ヒットシリーズの完結編。自らが作られた救世主と知らされるも、謎の力を使った直後に昏睡状態に陥ったネオの行方、ザイオンの未来などが描かれる。

現実世界で救世主の力を何故か行使できたネオは直後、意識を失い、そのまま昏睡状態に。一方ザイオン艦隊は機械軍迎撃直後のEMP作動によって、艦隊の機能は喪失、部隊は全滅してしまう。ただ一人生き残ったクルーに事情を伺うべく、ハンマー号クルーたちとモーフィアスらが集まり―――。

世間的には評判がだいぶ悪いと聞いてますし、確かにまあ驚きも何もなかった幕引きです。ただ、その分群像劇の濃度が増してるように見え、そのお陰かキャラクターの見どころが増えました。まずはネオの追っかけくんで推しキャラのキッドです。本作では兵役対象年齢を満たしてないのに、志願兵の一人として前線を駆けています。このキッド、詳しくは『アニマトリックス』の1エピソードで詳細が描かれますが、実は外部の支援無しで、自らの意思によってマトリックスを脱出した、ネオより結構スゴいことをやってのけてるキャラなんです。その意思の強さが今回華開いたザイオン戦で彼は結果モーフィアスたちの命を救います。どこで彼がそうするのかは是非とも本編必須ですが、この映画のキッドはメチャクチャカッコいいし、キーマンです!

もう一人は前作までネオたちが乗っていたネブカドネザル号(前作でセンティネルに破壊されてしまいました)のクルー、リンクの恋人のジーです。『リローデッド』ではリンクの身を案じ続ける女性ですが、今作ではザイオンを守るためにロケット砲の砲手として戦いに赴く設定になっています。実は彼女もキッドと同様、モーフィアスたちは勿論、恋人のリンクの命も救うキーになっていて、要所要所で重要な役目を与えられています。こちらも詳しくは本編を是非とも拝見してほしいし、とある場面での活躍にはホントグッと来ましたね。

全体的な見どころは、メインキャラのネオたちよりもこういった脇役キャラの活躍だと思ってます。

「名も知られていないものが世界の命運を左右する」

ハリー・ポッターもそうですが、ヒーローとはその場で生きて、戦い続ける者であって、特定の一人を指したものではないんでしょうね。キッドやジーがそうなんですが、持たざる者が起こした勇気が世界を、誰かを救うというのが、この映画で監督がやりたかったことなのかも。

さて、いよいよ最新作『レザレクション』を観られます!
今月の下旬ぐらいに堪能をしようかな✨

そしてようやく溜まりに溜まった映画のレビューを書き切りました。まだアニメが残っているけど、ひとまずやってやったです(笑)。
平田一

平田一