桃子

アルゴ探検隊の大冒険の桃子のレビュー・感想・評価

アルゴ探検隊の大冒険(1963年製作の映画)
3.6
「素晴らしきB級映画」

今の特撮技術でこの映画を作ったら、どんな風になるのだろう。タロスは青銅色に輝くムキムキの巨人で凄い形相をしているかもしれない。ハーピーは鮮やかでどぎつい青色の肌をしていて、血管の浮き出たコウモリの翼で音もなく飛び回るのだろうか。ヒュドラは7つの長い首を巧みに動かしながら襲い掛かってくる不気味に光る鱗を持つドラゴンといういうところか。一番の見どころはやはり7人の骸骨剣士だろう。地面から部品を組み立てるかのようにして現れ、ターミネーターのように淡々と切りかかってくるのかもしれない。
昔の特撮映画を見るのは実に楽しい。ハリーハウゼンのコマ撮りの苦労話を知ってから見ると、よけいにありがたく鑑賞することができる。B級感がぬぐえないのだけれど、怪物たちのぎこちない動きがなんだか可愛らしくて憎めない。
ギリシャ神話の神様たちが登場する映画を前にも見たことがあった。「タイタンの戦い」だったかな。ゼウスとかハデスとかポセイドンとか。みんな人間よりはるかに巨大である。
神様たちは人間と全く同じ姿をしているので、コマ撮りなんてしなくてすむから特撮はずっと楽だ。下界の人間たちを水を満たした器ごしに見おろしている様子は面白い。神様を演じるのは楽しいだろうなあ、なんてふと思ったのでした… 
桃子

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